国税庁の基準:容姿を美化するための費用は医療費にならない
国税庁の所得税基本通達73-4は、「容姿を美化し、又は容ぼうを変えるなどのための費用は、医療費に該当しない」としています。二重まぶたの手術、美容目的の脱毛やシミ取りなど、見た目を整えることが目的の施術の費用は、医療機関で受けても医療費控除の対象になりません。
一方、タックスアンサーNo.1122は、医療費控除の対象として「医師または歯科医師による診療または治療の対価」を挙げています。病気やけがの治療として医師が行った診療の費用は、皮膚科や形成外科で受けたものでも対象になります。分かれ目は、施術を受けた場所や施術の名前ではなく、治療のための費用かどうかです。
| 費用の性質 | 医療費控除 | 根拠 |
|---|---|---|
| 容姿を美化し、容ぼうを変えるなどのための費用 | 対象外 | 所得税基本通達73-4 |
| 医師・歯科医師による診療または治療の対価 | 対象 | タックスアンサーNo.1122 |
| 治療に必要な医薬品の購入費 | 対象 | 同上 |
| 病気の予防・健康増進のためのビタミン剤など | 対象外 | 同上 |
同じ施術でも、治療として行われたのか美容目的なのかで扱いが変わることがあります。迷うときは、領収書と医師の説明内容を手元に置いて、所轄の税務署に確認してください。
医療費控除の計算式
タックスアンサーNo.1120によると、医療費控除の金額は次の式で計算し、最高200万円です。
医療費控除 =(その年に実際に支払った医療費 − 保険金などで補てんされる金額)− 10万円
総所得金額等が200万円未満の人は、10万円の代わりに総所得金額等の5%を差し引きます。対象になるのは、自分または生計を一にする配偶者・親族のために、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費です。
| 例 | 計算 | 医療費控除 |
|---|---|---|
| 治療の医療費30万円、保険の補てん0円、総所得金額等300万円 | 30万円 − 0円 − 10万円 | 20万円 |
| 上の30万円に、美容目的の施術20万円を加えて支払った場合 | 美容目的の20万円は含めない | 20万円のまま |
記録と領収書の残し方
確定申告では医療費の明細書を作るため、領収書は施術ごとに分けて保管し、何のための診療だったかを書き留めておくと整理しやすくなります。医療ローンやクレジットカードで払った場合も、いつ、どの医療機関に、何の費用を払ったかを控えておきます。
美容医療の契約で困ったときの考え方は美容医療の契約前に確認する5つのこと、施術前に医師に聞く項目は美容医療のダウンタイムの確認項目にまとめています。
よくある質問
医療脱毛や二重整形の費用は医療費控除の対象になりますか?
見た目を整えることが目的の施術は対象になりません。国税庁の所得税基本通達73-4は、容姿を美化し、または容ぼうを変えるなどのための費用は医療費に該当しないとしています。病気の治療として医師が行った診療の対価であれば対象になるため、判断に迷うときは所轄の税務署に確認してください。
医療費控除はいくらから受けられますか?
その年に支払った医療費から保険金などで補てんされる金額を引き、さらに10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を引いた金額が控除額です。上限は200万円です(国税庁 タックスアンサーNo.1120)。
家族の分の医療費もまとめられますか?
まとめられます。自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が対象です(国税庁 タックスアンサーNo.1120)。
出典・参考(公的機関)
- 国税庁 タックスアンサー No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
- 国税庁 タックスアンサー No.1122 医療費控除の対象となる医療費
- 国税庁 所得税基本通達 法第73条《医療費控除》関係(73-4)
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