相談件数は5年で増え続けている
美容医療サービスに関するトラブルは、実際に統計として増加が確認されています。国民生活センターの公表資料によると、全国の消費生活センター等に寄せられた美容医療サービスに関する相談件数(PIO-NET)は、2018年度が1,980件、2019年度が2,036件、2020年度が2,209件、2021年度が2,767件、2022年度が3,709件で、2022年度は過去5年で最多になったと報告されています。
ここでいう「美容医療サービス」とは、同資料では医師による医療のうち「専ら美容の向上を目的として行われる医療サービス」を指し、医療脱毛、脂肪吸引、二重まぶた手術、包茎治療、審美歯科、植毛等が主な施術として挙げられています。
件数が増えているという事実は、施術そのものの良し悪しを示すものではありません。ただ「契約の場面で困る人が一定数いる」ことははっきりしています。だからこそ、契約前の確認手順を先に決めておく価値があります。
実際に報告されている相談事例
国民生活センターが公表している相談事例には、次のような共通のかたちがあります。
- カウンセリングのつもりで来院したところ、「今やった方がいい」「今やらなければ間に合わない」と、その場での契約と施術を勧められた
- 「モニター価格もある」と割引を提案され、広告の金額や自分の予算より高額な契約になった
- 広告に出ていた安価なコースを目当てに行ったのに、「広告は軽度の場合の価格。あなたは重度だ」と説明され、高額な施術を勧められた
- 分割払い(クレジット契約)を組んででも契約する人が多いように説明された
同センターは、相談事例からみる問題点として「消費者の不安をあおったり、モニター契約等による大幅な割引を提案して、即日契約・施術を急かす」「施術の手軽さを強調する説明により、消費者がリスクや副作用を十分に理解できていない」といった点を挙げています。
契約前に確認したい5つのこと
公表資料のアドバイスを、来院前後の行動に落とし込むと次のようになります。
1. 「今日決めない」を先に決めておく
国民生活センターは「美容医療の施術は、多くの場合、緊急性がありません」と明記したうえで、不安をあおられたり大幅な割引を提案されても即日契約・施術をしないよう呼びかけています。カウンセリングの予約を取る段階で「今日は契約しない」と自分の中で決めておくと、その場の判断を避けられます。
2. リスク・副作用は医師から聞く
同資料は、自由診療では医師が施術に伴う副作用や合併症のほか、施術費用および解約条件、保険診療での実施の可否、効果には個人差があることなどについて丁寧に説明することが求められている、と説明しています。そのうえで「カウンセラー等からではなく医師から十分に説明を受け」ることを勧めています。誰から聞いた説明なのかを意識してください。
3. 広告の価格と提示された価格の差を書き留める
広告価格と実際の見積もりが大きく違う場合、その理由を書面や見積書で確認します。口頭のやり取りだけで進めないことが、後から振り返るときの支えになります。
4. 支払い方法を先に決めておく
分割払いを組む前提で話が進むことがあります。総額と支払期間、月々の負担を、その場ではなく持ち帰って計算してください。
5. 解約条件を契約前に読む
解約したいときの条件は、契約後ではなく契約前に確認します。次のクーリング・オフの適用有無もここで確かめます。
クーリング・オフが使える場合がある
国民生活センターは、一部の美容医療サービスについて「期間が1カ月を超え、金額が5万円を超える場合、特定商取引法が適用され、契約書面を受け取った日を含む8日間はクーリング・オフができます」と案内しています。
すべての契約が対象になるわけではないため、自分の契約が該当するかどうかは、契約書面を手元に置いたうえで消費生活センター等に確認するのが確実です。困ったときの相談先として、消費者ホットライン「188(いやや!)」番が案内されています。最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等につながる全国共通の3桁の電話番号です。
広告の見方——医療広告には規制がある
医療機関の広告は、医療法にもとづく広告規制の対象です。厚生労働省は「医療法における病院等の広告規制について」のページで、規制の考え方や関連資料を公開しています。
広告で見かける表現をそのまま比較材料にする前に、費用の内訳、追加費用の有無、効果には個人差があるという前提が明示されているかを確認してください。判断に迷う表示があった場合は、その医療機関に直接説明を求めるのが基本です。
自分の状態を記録してから相談する
カウンセリングの場では、勧められた施術が自分の悩みと合っているかを、その場で判断することになります。事前に「いつから」「どんなときに」気になるのかを記録しておくと、説明を受けるときの手がかりになります。
記録は、施術を受ける・受けないのどちらを選ぶ場合でも役に立ちます。自分の状態を言葉にできていること自体が、急かされる場面での判断材料になります。
肌の状態を記録して比べてみる
AI美容カルテでは、顔写真とライフスタイルの入力から肌の状態をスコア化して記録できます。同じ条件で記録を続けると、生活の変化と肌の変化を見比べられます。
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- 美容医療のクーリング・オフ対象条件一覧|特定商取引法の特定継続的役務
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よくある質問
Q. 相談件数は5年で増え続けているのですか?
国民生活センターの公表資料では、全国の消費生活センター等に寄せられた美容医療サービスの相談件数(PIO-NET)が2018年度の1,980件から2022年度の3,709件まで増え、2022年度は過去5年で最多と報告されています。
Q. 実際に報告されている相談事例とは?
国民生活センターは相談事例からみる問題点として、不安をあおったりモニター契約等による大幅な割引を提案して即日契約・施術を急かすこと、施術の手軽さを強調する説明でリスクや副作用が十分に理解できていないことを挙げています。
Q. 契約前に確認したい5つのこととは?
「美容医療の施術は、多くの場合、緊急性がありません」と国民生活センターは明記し、不安をあおられても即日契約・施術をしないよう呼びかけています。カウンセリングの予約段階で「今日は契約しない」と決めておけば、その場の判断を避けられます。
Q. クーリング・オフが使える場合があるのですか?
一部の美容医療サービスは、期間が1カ月を超え金額が5万円を超える場合に特定商取引法が適用されます。この場合、契約書面を受け取った日を含む8日間はクーリング・オフができると国民生活センターは案内しています。
出典・参考(公的機関)
- 国民生活センター「増加する美容医療サービスのトラブル-不安をあおられたり、割引のあるモニター契約を勧められても慎重に判断を!-」(2023年8月30日公表)
- 国民生活センター「男性の美容医療トラブルも増加!」(2026年1月20日公表)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供
- 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」
ご利用にあたっての注意事項
- 本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療および効果を保証するものではありません。
- 肌の状態や変化の感じ方には個人差があります。
- 肌に異常を感じた場合は使用や実践を中止し、皮膚科などの医療機関にご相談ください。
- 症状が続く場合や強い場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。