医療機関とサロンで何が違うのか
VIO脱毛を受けられる場所は、医療機関と、医療機関以外のエステティックサロンに分かれます。この2つは、名前が似た施術を掲げていても、法令上できることの範囲が違います。
厚生労働省の通知「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日 医政医発第105号)は、用いる機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為を、医師が行うのでなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為として位置づけ、医師免許を有しない者が業として行った場合には医師法第17条に違反すると示しています。
国民生活センターは、この点を受けて、エステで行うことができるのは、光を照射すること等による一時的な除毛・減毛など、医行為に該当しない範囲の施術のみであるとしています。同センターは、医療機関で行われる脱毛については、人体の組織を破壊する行為であるためやけどや腫れ、赤みなどの皮膚トラブルが起きる可能性があるとされる一方、トラブルが起きた際も直ちに医師の診察を受けることができる、と説明しています。
どちらを選ぶかは、この違いを理解したうえで決めるものだと同センターは案内しています。施術後の過ごし方について、その医療機関でどう指示されるのかを先に聞いておくと、予定を組みやすくなります。
寄せられている相談から見る注意点
国民生活センターが2017年5月11日に公表した「なくならない脱毛施術による危害」によると、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)には、2012年度以降の約5年間に、脱毛施術により危害を受けたという相談が964件寄せられていました(2017年2月末日までの登録分)。内訳は、エステティックサロンで受けた脱毛によるものが680件、医療機関で受けた脱毛によるものが284件です。
同センターが2017年3月に、エステや医療機関で脱毛を受けたことのある人を対象に実施したインターネットアンケート調査では、回答者の約4分の1が、過去3年間に脱毛を受けた後に、やけど、痛み、ヒリヒリ感などの身体症状が生じた経験があると回答しています。
もう一つ、選ぶ側にとって示唆的な数字があります。危害が発生した際に医療機関で治療を受けたという相談のうち、脱毛を受けた医療機関とは別の医療機関を受診したという相談が4割以上にのぼった、と同センターは報告しています。同センターはこれを、危害を受けた際の対応や治療に不満や不信感を抱いていると考えられるケースが多いことを示すものとして扱い、脱毛を行う医療機関に対して、施術前のインフォームド・コンセントを充実させるとともに、やけど等のトラブルが発生した際は適切な対応を講じるよう要望しています。
つまり、契約前に見ておきたいのは施術そのものの説明だけではありません。問題が起きたあとにその医療機関が何をしてくれるのかまで含めて聞いておくと、比べる材料が増えます。
契約前に確認する項目一覧
国民生活センターは消費者へのアドバイスとして、ホームページや広告の情報をうのみにせず自ら十分な情報収集を行うとともに、施術前にリスク等に関する説明を十分に求めることを挙げています。あわせて、脱毛は一定の効果を得るためには長期間施術を継続する必要があるとしています。これをカウンセリングの場で使える形にすると、次のようになります。
| 確認する項目 | 具体的な聞き方 | 控えておくこと |
|---|---|---|
| 施術の位置づけ | 医療機関として行う施術か、機器と照射の方法は何か | 説明された内容そのまま |
| 担当者 | 説明と施術はそれぞれ誰が行うのか | 医師から説明を受けたかどうか |
| 起こりうる皮膚トラブル | やけど、腫れ、赤み、色素沈着はどの程度起こりうるか | 頻度の高いものと、まれでも重いもの |
| 施術後の過ごし方 | 入浴、運動、下着や衣服、生理期間の扱いはどうするか | 制限の期間と、守れなかった場合の影響 |
| 通う期間と回数 | 何回・どのくらいの間隔で、いつまで通う想定か | 回数と間隔、終わりの目安の説明 |
| 費用と解約条件 | 総額はいくらで、途中でやめる場合の条件は何か | 概要書面・契約書面の記載 |
| 追加費用 | 麻酔、剃毛、キャンセル、薬の処方は費用に含まれるか | 含まれる範囲と別料金の範囲 |
| トラブル時の対応 | 施術後に異常が出たとき、どこへいつ連絡すればよいか | 連絡先と受付時間、診察の費用の扱い |
この表は、特定の術式や機器を前提にせず、どの医療機関でも共通して聞ける項目だけで作っています。費用や解約条件については、契約書面の交付が法律で定められている場合があります。詳しくは美容医療の契約前チェックと美容医療のクーリング・オフ対象条件一覧をご覧ください。施術前に医師へ何を聞くかは美容医療のダウンタイムはどう確認する?施術前に医師へ聞く項目の一覧にもまとめています。
なお、VIO脱毛の料金の目安を横断的に示した公的機関のデータは確認できませんでした。金額は医療機関ごとに設定が異なり、部位の範囲や回数の数え方も同じではありません。このページでは相場の数字を載せず、総額と解約条件を書面で確認する、という形にとどめています。
広告の表現をどう読むか
国民生活センターが同じ資料でインターネット上のエステの広告・ホームページを調査したところ、「痛みゼロ」「痛みもリスクもありません」等、安全な施術であるとイメージさせる表現がみられたとしています。同センターはこれらについて消費者に誤認を与えるおそれがあると考えられるとして、改善を要望しています。また、医療機関の広告を調査したところ、比較広告など医療広告ガイドラインで禁止された内容の広告がみられ、関係法令に抵触するおそれがあったとも報告しています。
医療機関の広告は医療法で規制されています。厚生労働省は「美容医療に関する取扱いについて」(令和7年8月15日 医政発0815第21号)で、虚偽広告、誇大広告、比較優良広告、患者の体験談の広告が禁止されていることをあらためて示しています。
読む側としては、痛みやリスクが無いと読める表現、他院より優れていると読める表現、施術を受けた人の感想が前面に出ている表現は、そのまま判断材料にするのは避けたほうがよいでしょう。逆に、起こりうる副作用と費用の内訳が書かれているかどうかは、比べるときの手がかりになります。
通いやすさから候補を絞る
脱毛は一定の効果を得るために長期間施術を継続する必要がある、と国民生活センターは説明しています。回数と期間がかかる以上、通いやすさは後から効いてきます。仕事や家の予定に対して、その場所へ何度も行けるかどうかを先に考えておくと、候補は自然に絞れます。
地域ごとの医療機関数や相談窓口、確認しておく項目は、地域別のページにまとめています。
掲載していない地域は地域から探すページから確認できます。将来に備えて受けておく「介護脱毛」としてVIO脱毛を検討している場合の考え方は、介護脱毛(女性)と介護脱毛(男性)で扱っています。
困ったときの相談先
国民生活センターは、脱毛を受けて危害が発生した場合について、施術を受けたエステや医療機関に申し出たうえで、必要な場合は速やかに医療機関を受診し、適切な診断・治療を受けること、あわせて早めに最寄りの消費生活センター等に相談することを案内しています。消費者ホットラインは「188(いやや!)」で、住んでいる地域の消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の電話番号です。
同センターは、エステにおいて医行為の疑いがある施術を受けた場合や、広告に問題があると思われた場合には、最寄りの保健所等へも併せて情報提供するとよいとしています。医療機関で受けた脱毛について心配がある場合は、全国の医療安全支援センターに相談することもできるとしています。
説明を受けた内容と施術後の経過は、自分でも記録しておくと再診や相談の場面で役に立ちます。日付と、その日の状態、医師から受けた説明をそのまま書き留めておくだけでも十分です。肌の状態の記録はAI美容カルテでも続けられます。
よくある質問
医療機関の脱毛とサロンの脱毛は何が違いますか?
厚生労働省の通知(平成13年11月8日 医政医発第105号)は、用いる機器が医療用であるかを問わず、レーザー光線その他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射して毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為について、医師でなければ保健衛生上危害の生ずるおそれのある行為であるとし、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反すると示しています。国民生活センターは、エステで行うことができるのは、光を照射すること等による一時的な除毛・減毛など、医行為に該当しない範囲の施術のみであるとしています。
VIO脱毛でトラブルは起きていますか?
国民生活センターが2017年5月11日に公表した資料によると、PIO-NETには2012年度以降の約5年間に、脱毛施術により危害を受けたという相談が964件寄せられており(2017年2月末日までの登録分)、内訳はエステティックサロンで受けた脱毛によるものが680件、医療機関で受けた脱毛によるものが284件でした。同センターが2017年3月に実施したアンケート調査では、回答者の約4分の1が、過去3年間に脱毛を受けた後にやけど、痛み、ヒリヒリ感などの身体症状が生じた経験があると回答しています。
カウンセリングでは何を確認すればよいですか?
国民生活センターは、ホームページや広告の情報をうのみにせず自ら十分な情報収集を行い、施術前にリスク等に関する説明を十分に求めることを消費者へのアドバイスとして挙げています。あわせて、脱毛は一定の効果を得るためには長期間施術を継続する必要があるとしています。施術の内容、起こりうる皮膚トラブル、通う期間と回数、総額と解約の条件、トラブルが起きたときの連絡先は、契約前に確認しておくと判断の材料がそろいます。
やけどなどのトラブルが起きたときはどこに相談できますか?
国民生活センターは、脱毛を受けて危害が発生した場合は、施術を受けたエステや医療機関に申し出たうえで、必要な場合は速やかに医療機関を受診し、適切な診断・治療を受けること、あわせて早めに最寄りの消費生活センター等に相談することを案内しています。消費者ホットラインは「188」です。医療機関で受けた脱毛について心配がある場合は、全国の医療安全支援センターに相談することもできるとしています。
出典・参考(公的機関)
- 厚生労働省 医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(平成13年11月8日 医政医発第105号)
- 国民生活センター なくならない脱毛施術による危害(2017年5月11日公表)
- 厚生労働省 美容医療に関する取扱いについて(令和7年8月15日 医政発0815第21号)
- 厚生労働省 医療法における病院等の広告規制について
ご利用にあたって
- 本ページは公的機関が公表している情報にもとづく一般的な情報提供であり、特定の医療機関・施術・商品を推奨するものではありません。
- 効果には個人差があり、本ページは治療の効果を保証するものではありません。施術の適否は必ず医師にご相談ください。
- 制度の内容や件数は公表時点のものです。最新の情報は出典元でご確認ください。