「ニキビ跡」はガイドラインでは3つに分けられる

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」は、ニキビ(尋常性痤瘡)の炎症が治まったあとに残る症状を、次のように定義しています。

ガイドラインの用語見た目補足
炎症後の紅斑赤み炎症が治まったあとに一時的に残る紅斑
萎縮性瘢痕(陥凹性瘢痕)へこみ(いわゆるクレーター)瘢痕のうち皮膚の陥凹
肥厚性瘢痕・ケロイド盛り上がり瘢痕のうち隆起

ガイドラインは瘢痕を、炎症性の皮疹などが軽くなったあとに生じる皮膚の陥凹、隆起、色素沈着からなる症状と定めています。自分のニキビ跡がどれにあたるかで、話題に上る治療も変わります。

推奨度の読み方

ガイドラインは治療ごとに推奨度を付けています。ニキビ跡の項目に出てくるのは次の2つです。

  • C1:選択肢の一つとして推奨する(質の劣る研究などの根拠がある)
  • C2:十分な根拠がないので(現時点では)推奨しない

「C2」は危険という意味ではなく、効果を判断できるだけの根拠がまだそろっていないという意味です。

ニキビ跡の治療と推奨度の一覧

対象治療推奨度ガイドラインの記載(要約)
肥厚性瘢痕ステロイド局所注射C1選択肢の一つとして推奨する
肥厚性瘢痕トラニラスト内服C2行ってもよいが推奨はしない
肥厚性瘢痕・ケロイド外科的切除・冷凍凝固療法C2行ってもよいが推奨はしない
萎縮性瘢痕充填剤注射(コラーゲン・ヒアルロン酸)C2行ってもよいが推奨はしない。保険適用外に配慮
萎縮性瘢痕ケミカルピーリング(トリクロロ酢酸・高濃度グリコール酸)C2行ってもよいが推奨はしない。保険適用外に配慮
痤瘡・痤瘡瘢痕レーザー治療C2設備の問題、国内での検討が不十分、保険適用がないことから推奨はしない
炎症性皮疹・炎症後の紅斑ビタミンC外用C2行ってもよいが推奨はしない。保険適用外に配慮

レーザーの項目の解説では、フラクショナルレーザーやフラクショナルRFについて国内の前後比較試験もあり、ほかの治療で効果が得られない難治性の萎縮性瘢痕には試みてもよいが推奨はしない、とされています。どの治療を受けるかは、跡の種類と程度を医師に診てもらったうえで決めてください。

跡を残さないために:早めの治療

同ガイドラインは前文で、軽い症状でも瘢痕を残しうること、早期の治療で瘢痕を予防できることを示すデータがあると述べ、早めの積極的な治療と、炎症が治まったあとの維持療法を求めています。今あるニキビを皮膚科で治療しておくことが、跡を増やさないための基本です。

化粧品の表示の読み方はノンコメドジェニックテスト済みとは、皮膚科の受診の始め方はシミ・ニキビの美肌治療はオンライン診療で始めるにまとめています。保険適用外の施術を検討するときは、費用とリスクの説明を医師から受けてから決めてください(施術前に医師へ聞く項目)。

よくある質問

ニキビ跡のクレーターに効く治療はありますか?

日本皮膚科学会のガイドライン2023では、へこみ(萎縮性瘢痕)への充填剤注射、ケミカルピーリング、レーザー治療はいずれも推奨度C2(十分な根拠がないので推奨しない)です。フラクショナルレーザー等は、ほかの治療で効果が得られない難治性の萎縮性瘢痕には試みてもよいとされています。

ニキビ跡の治療は保険が使えますか?

ガイドラインは、萎縮性瘢痕への充填剤注射やケミカルピーリング、レーザー治療について保険適用外(レーザーは保険適用がない)であることに触れています。治療ごとの費用と保険の扱いは、受診先の医療機関で確認してください。

ニキビ跡を残さないためにできることは?

ガイドラインは、軽い症状でも跡を残しうる一方で、早期の治療で跡を予防できることを示すデータがあるとしています。ニキビがあるうちに皮膚科で治療を始め、炎症が治まったあとも医師の指示で維持療法を続けることが基本です。

出典・参考(公的機関)

ご利用にあたって

  • 本ページは公的機関が公表している情報にもとづく一般的な情報提供であり、特定の医療機関・施術・商品を推奨するものではありません。
  • 効果には個人差があり、本ページは治療の効果を保証するものではありません。施術の適否は必ず医師にご相談ください。
  • 制度の内容や件数は公表時点のものです。最新の情報は出典元でご確認ください。